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「君の椅子」ものがたり ★★★★★
佐々木 なおこ/「生まれてくれてありがとう。君の居場所はここにあるからね」君の椅子プロジェクト
生まれた子どもにプレゼントが届きます。それは子どものために作られた椅子でした。北海道の小さな町から生まれた「君の椅子プロジェクト」。この試み、北海道の地元の家具職人が、道外のデザイナーや建築家、造形作家と組み、日本の森で育った広葉樹を材料に、手作りの椅子を新生児に贈るスタイル。最初の参加自治体となったのは旭川市の隣町.東川町でした。スタート時の2006年からには51脚の椅子が誕生しました。デザイ

スター・ウォーズジェダイの試練 上巻 ソニー・マガジンズ文庫 ★★★★
星落秋風五丈原/スター・ウォーズ  エピソード7を見るまえに~~崩壊まで6か月 ダークサイドへのカウントダウン
スターウォーズの新たなる三部作の第一作目スターウォーズ フォースの覚醒が2015年12月18日公開されます。そこで、今までに読んだ4冊を紹介させて頂きたいと思います。 銀河系共和国にとって軍事的に重要な拠点である惑星プリシトリンの通信センターが、独立星系連合軍に占拠された。派遣される事になったのは、半分謹慎状態にあったジェダイ・マスターの一人、ネジャー・ハルシオン。彼が補佐となる指揮官に選んだのは

スター・ウォーズ悪の迷宮 上巻 ソニー・マガジンズ文庫 ★★★★
星落秋風五丈原/スター・ウォーズ エピソード7を見るまえに~崩壊直前 そしてエピソード3へ
スターウォーズの新たなる三部作の第一作目スターウォーズ フォースの覚醒が2015年12月18日公開されます。そこで、今までに読んだ4冊を紹介させて頂きたいと思います。 ジェダイ騎士のオビ=ワン・ケノービとアナキンは、通商連合のヴァイスロイ、ヌート・ガンレイを追って、ケイト・ニモ-ディアへ。13年前のナブー封鎖、3年前の暗殺未遂と、パドメ絡みでガンレイには恨み骨髄のアナキンを、抑えるのに必死なオビ=

スター・ウォーズエピソード2クローンの攻撃 ソニー・マガジンズ文庫 ★★★★
星落秋風五丈原/スター・ウォーズ エピソード7を見るまえに~ダークサイドではない もう一つのエピソード2~
スターウォーズの新たなる三部作の第一作目スターウォーズ フォースの覚醒が2015年12月18日公開されます。そこで、今までに読んだ4冊を紹介させて頂きたいと思います。 ナブーの戦いから10年。共和国の軍隊創設法案に反対し、暗殺の危機にさらされた元老院議員パドメ・アミダラの身を守るため、ジェダイ評議会からアナキン・スカイウォーカーが派遣された。一方、暗殺者の正体を探るオビ=ワン・ケノービは驚くべき事

水木サンの幸福論 ★★★★★
夏の雨/追悼・水木しげるさん - では、またあの世で
 2015年11月30日、漫画家の水木しげるさんが亡くなりました。93歳でした。 水木さんといえば「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」といった妖怪漫画で人気を博し、2010年には文化功労者にも選ばれています。しかし、水木さんの人生は決して平坦ではなかったことは周知のことです。過酷な戦争体験、紙芝居画家、貸本屋漫画家時代を経てメジャーの漫画週刊誌に採用されたのは40歳を過ぎていました。 水木さんとよく比

もうひとりのタイピスト ★★★★
星落秋風五丈原/嘘をついているのは誰?だまされたのは誰? キ―ラ・ナイトレイ主演による映画化決定
一つの絵を見て壺だと言う人もいれば、二人の人間が向かい合っている図だという人もいる。なぜこんな事が起こるのか。答えは簡単、白い部分を中心に見るか、黒い部分を中心に見るかで、こうも見方が変わる。人間においても同じだ。 1920年代アメリカ、第一次大戦を経て、女性の社会進出が進みつつあった時代。ローズは警察署のタイピストとして、地味ながら安定した生活を送っていた。だが、美しい黒髪を断髪にし、最新流行の

今日を限りに生きる。 ★★★★★
佐々木 なおこ/「断捨離も終活もしません」と吉沢さん
「年齢を意識することもなく、ただ毎日を 夢中で生きてきただけで、気づくと九十七年も年も生きてしまった」家事評論家、随筆家として長年活躍され、義母と夫 を看取られ、66歳からから30年もあまり一人暮らしの生活を続けている吉沢さんです。築 55年の一軒家に住んで、唯一のぜいたくとも言えるのが 家の どこにいても緑を眺めることができ、窓から自然な風が運ばれてくること。そこで自分らしいスケジュールをこなす

40年後の『偶然と必然』 ★★★★
藤豆/各国語訳の比較、書評も分析対象に、40年後の作品研究。是非新訳出版してほしい。
 フランスで1970年、日本語訳は1972年に出版された本である『偶然と必然』。『偶然と必然』はノーベル賞をとった生物学者が、専門分野から社会の在り方まで広く語った本である。その頃理科系、特に生物系の大学生であった人のかなりはこれを読んだと思う。「良くわからない」なりに議論をした記憶が私ですらもある。生物学の先進の部分から哲学まで広く扱っているので、理系の人にはラクトースオペロンやアロステリックの

スター・ウォーズ崩壊の序曲 Lucas books ★★★★
星落秋風五丈原/スター・ウォーズ エピソード7を見るまえに~Sing・Think・Sink~そして『エピソード2クローンの攻撃』に至る
 スターウォーズの新たなる三部作の第一作目スターウォーズ フォースの覚醒が2015年12月18日公開されます。そこで、今までに読んだ4冊を紹介させて頂きたいと思います。 ナブーの戦いから10年。銀河共和国は腐敗や堕落がはびこり、往年の勢いを無くしていた。そんな時、辺境の弱小惑星と見られているアンシオンでは、共和国脱退の意見が持ち上がる。この動きの裏には、共和国解体を企む者達の暗躍があった。元老院と

ピヨピヨスーパーマーケット ★★★★★
佐々木 なおこ/さてさて、何を買って、何を食べたのかな?
ヒヨコ好きにはたまらない絵本です。にわとり母さんとヒヨコちゃんたちがそろってスーパーマーケットへ。さてさて、何を買うのでしょうか?にわとり母さんはしっかり買いものメモ持参です。ヒヨコちゃんたちもそれぞれに買いたいものをしっかり頭に描いています。すると、スーパーマーケットで、にわとり母さんは豚母さんとばったり出会って、ちょっと立ち話。その間に、ヒヨコちゃんたちもコブタちゃんたちも、スーパーマーケット

まるまるまるのほん ★★★★★
夏の雨/本で遊ぼう
 「本は大切にあつかいなさいよ」、そんな小言を子どもたちに言ったことはありませんか。 でも、お願いですから、この絵本に限ってはそう言わないで下さい。 むしろ、「本全部を使って遊んでいいよ」と言ってあげてください。子どもたちにこの絵本を渡した瞬間、子どもたちは身体いっぱい使って、この本と遊ぶにちがいありません。 押したり、揺すったり、立てたり・・・。 でも、驚かないで。それでいいのです、この絵本はそ

うさこちゃんがっこうへいく 改版 ★★★★★
おなべのメアリー/うさこちゃんの学校ライフがわかりますよ。
 うさこちゃんがお友達と、先生の待つ学校へ行き、楽しく一日を過ごします。 たくさんうさぎのお友達が出てきても、どれがうさこちゃんかすぐにわかりますよね。 うさこちゃんは赤い服を着ているからです。 それと、あちらの学校の新鮮さには、とても驚かされます。 まず、うさこちゃんたちは鉛筆をもって「まあるくせん」を書く練習だけします。字をならうのは、「ぐるぐるじょうず」に線が書けるようになってから。 それに

うさこちゃんのはたけ 改版 ★★★★★
おなべのメアリー/うさこちゃんが「つなぎ」を着て、「はたけしごと」に挑戦します!
 うさこちゃんが「つなぎ」で身支度をして、おとうさんに手伝ってもらい、タネをまき、水をやると……。 数日でたくさん「め」が出てきましたよ! さすがヨーロッパでは、ガーデニングがさかんなようですね。 うさこちゃんも土をほりおこし、レーキでならして(「レーキ」ってなんだかわかりますか? カバーに出ている道具です)、なかなか本格的な仕事ぶり。 さて、なんのタネをまいたのでしょう? うさこちゃんはうさぎさ

気持ちのよい暮らし ★★★★★
千年万年ガールズ/今見ても新鮮でセンス抜群な,さすがの有元さん
 美しいもの、楽しいことは「内に見つけてこそ」、とあとがきにあるように、自分の家、日常生活のクオリティをあげることをずっと提案している料理研究家の第一人者有元さん。 今の家とは違う、当時のご自宅での、優雅でハイセンスな暮らしぶりが、美しい写真で紹介されています。  色でいかに部屋の雰囲気が変わるかの実例を示して、カラーコントロールの大切さを説いたり、白黒というコントラストの強い色を食卓に持ってきた

テーブルひとつから始める「お部屋スッキリ!」の法則 ★★★★★
千年万年ガールズ/片づけの黄金ルールは、元にもどすか捨てるか? そしてその繰り返ししかないんだな。
 100ページもなく、30分ほどで読めてしまうほど薄い本ですが、うーんと感心させられました。 今、自分の部屋(リビング)のテーブルの上には何があるか?  そのモノをよく見て、それはどこから? いつ? どんな理由でやってきたのか?を観察。 そして、そのモノを少しずつ元へもどしてスペースをあけ、あいた状態をキープしていくうちに、ああ、これはいらないな、捨てよう、とわかってくる…… という展開になる本な

カポネ ★★★★
よっちゃん/なんとしてでもアメリカ人になってやる。「下流社会」より抜け出ようとした若者。
「悪の権化」、カポネ。「法の守護神」、ネス。なんとしても「アメリカ人」になりたい!「下流社会」からの飛翔のエネルギーをたぎらせ二人のアメリカ人は大物への道を驀進する。アメリカンドリーム!善悪を超越し、旧弊を壊して若者はひらすら疾駆する。大衆の熱狂はそのかっこよさに声援をおくる。時代の寵児。しかし栄光の座を手にしたとたん転落が始まる。守旧派の巻き返し。大衆の熱狂は糾弾へと転じた。と、我が国でも似たよ

朝にキク言葉 ★★★★★
夏の雨/新しい朝が来た
 NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」が好調だ。 朝ドラとよばれるシリーズの第1作めは昭和36年の「娘と私」。そこから数えて93作めと「あさが来た」であるが、題名に「あさ」がつくのは初めてである。 朝ドラ、「あさが来た」、それに主人公の名前が「あさ」。あまりの「あさ」づくしにベタな感じがしないでもないが、これこそ朝ドラにぴったりのドラマのような感じがしている。 せっかく朝いちばんに見るドラマなの

素数はなぜ人を惹きつけるのか 朝日新書 ★★★★
レム/― 素数という名の未知なる存在価値 ―
  素数の魅力の一つは、それを公式化できないところにあるようだ。1とその数自身以外に約数を持たない数であることは小学生でも知っている特性だが、公式化されていない。公式化しようとする行為自体が、実は数学的に誤っているのではないかとすら思えるくらいだ。これまで、ガウスやリーマンが挑戦した素数公式だが、現在にして、予想式があるのみだ。それゆえに、古来、素数は数学者たちを惹きつけてきた。   本文に綴られ

鉄腕バーディー 13 ヤングサンデーコミックス ★★★★★
消息子/往年のヤクザ映画がハシリという指摘
 バーディーの幼年時代編。 遺伝子操作かなんかで生体兵器のように作られた調整アルタ人のバーディーには両親がなく「人形」のヴァイオリンが養育を担っている。11巻で対決した「人形」のオンディーヌがヴァイオリンとタイプが同じで、バーディーにオンディーヌ破壊をためらわせる要因となっていたのだ。 アルタ人独立を要求するレビのテロリズムのもと、アルタ人ということで差別されて幼年学校にも行けないバーディーを後に

聖なる夜に ★★★★★
佐々木 なおこ/言葉のない絵本 おばあちゃんの心静かな幸せがひたひたと伝わる
主人公は一人暮らしのおばあさん、クリスマスイブの晩にすばらしい奇跡が起こります。実は、その奇跡の直前には、信じられないほどの辛い出来事があり、クリスマスイブなのに、どうして?と思わずにはいられなくなります。でも、おばあちゃんは大丈夫なんです。善い行いをしたおばあちゃんには、善い出来事が起こるのですから。その奇跡の様子があまりにも心温まり、忘れられないシーンがいくつも。そう、この絵本には言葉がありま

最強のリーダー育成書「君主論」 ★★★★★
夏の雨/非情になれるか
 中学や高校の頃に授業で習ったことはどこまで役に立つか、議論はあると思いますが、最近は特に「教養」という言葉を聞くように、中学高校に習うことはそのあとの人生にとってとても大切なのだと思います。 例えば、この本のタイトルにある『君主論』も中学高校で一度は耳にしたことがあるはず。著者の名前ぐらいはすらっと出て…来ませんが。 『君主論』は今から500年前の1500年代にイタリア・フィレンツェのニコロ・マ

ヤクザがおくる普通人への独白 ★★★
消印所沢/管理職
 ヤクザの,それも上級クラスの幹部へのものと思われるインタビュー.  もう30年も前のものだが,昨今,暴力団界隈が分裂騒動で騒がしいので,これを契機に再読.  当然,暴対法や暴力団排除条例などの施行前なので,外部環境はかなり異なるが,本質的な部分を読み取りたい.▼ 冒頭,言いがかりにもならない恫喝を行い,著者を威嚇しようとしている手口は,いかにもヤクザ.  だが,他の部分では概ね,言っていることは

きえもの日記 ★★★★★
きゃべつちょうちょ/カレーは二日目がやっぱり美味しい。
「昨夜のカレー、明日のパン」のドラマがとても好きで、録画を何度か見返している。ストーリーがわかっているのに、毎回感動してしまう。美味しそうな料理に見入ってしまう。このドラマのキモといっていい、料理の数々は、高山なおみさんが率いる料理チームによって制作された。「きえもの日記」には、現場でのできごとや感じたことがまとめられている。わたしは「気ぬけごはん」で、この人いいなぁ!と勝手に親しみを感じたのだが

ハワイの教科書 ★★★★★
悲しきメリケン粉/素顔のハワイがよくわかる、行くならばぜひ読んでほしい楽しい雑学本です。
タイトルは“教科書”となっていますが、目からウロコ、中学生でもラクに読める雑学本です。最初に簡単なクイズがあり(「オアフ島は四国よりも大きい?」)、あっ、知らなかった、なるほどね、と感心させられます。あとは150個のトリビアを楽しく読んでいくだけ。広告だらけのガイドブックより、もしかしたら、ずっと面白いと思いますよ。ビーチでお酒を飲むと逮捕される!とか、公園の鳥にエサをやっても罰金!とか、洗濯物を

どうぶつたちのクリスマス ★★★★★
東京くもも/冬眠していた生き物たちがベツレヘムへやってきたという、クリスマスのもう一つの奇跡のお話
 今から2000年前の寒い冬のさなか、たいへん明るく光る星があらわれて、その輝きで冬眠していた生き物を目覚めさせ、ベツレヘムへと導きます……。 その昔、突然冬の夜空にあらわれたとても明るい星は、眠っていたくまやアナグマ、スカンクやアライグマやリス、ヘビや本当に小さな虫にまでまぶしく輝いて、「ベツレヘムへ!」と歌います。そして、みんなを起こし、その土地へといざなうのです。 ベツレヘムで何があるという

かわいいハワイ MARBLE BOOKS ★★★★★
悲しきメリケン粉/ゆるーいハワイ情報ときれいな写真に癒されます。
ハワイ通で有名な山下マヌーさんと、ハワイ在住の女性との短い対談で、ハワイの食べ物屋さん、雑貨屋さん、美しい風景が紹介されています。タイトルにあるように“かわいい”かどうかは別として、データは2009年とやや古めですが、内容は今でも立派に役に立つ。だけど、派手な最新情報とは違って、ゆるくて、なんとなくのんびりしている。そこがハワイらしくて、うれしくなります。ハワイのおふくろの味を出すオノ・ハワイアン

ふゆねこさん ★★★★★
東京くもも/寒い冬、のらねこが人間の子どもたちと仲良しになるまでの心温まるお話
 本格的な冬になって、3人きょうだいは、家のそばで見かける野生の「はいいろねこ」が寒くないだろうかと気になって仕方ありません。「ふゆねこさん」と呼ばれるようになったねこは、子どもたちに少しずつ近づいていき……。 灰色のねこは生まれて初めて「ふゆ」を体験する子ねこのようで、降る雪が景色を変えていくことさえ新鮮に映るようです。でも、寒さには勝てません。 一方、子どもたちは「やせいのねこ」だからなつかな

ハワイ雑貨ブック ★★★★★
悲しきメリケン粉/データは古くても、おっと!という、今でも楽しそうな穴場が発見できます。
久しぶりにハワイへ行くことになり、以前に買ったこの本を持ち出してみると……意外にも、穴場的なお店の紹介がたくさんあることに、今更ながらまた気づきました。ホノルル、特にワイキキは観光に特化された場所だけれど、東京ほどお店の栄枯盛衰は激しくないと思います。その証拠に、2008年当時のこの本に出ているお店のほとんどが、2015年現在まだ健在。中には移転したり、店名が変わっているお店もありますが、最新のガ

うさこちゃんのにゅういん 改版 ★★★★★
おなべのメアリー/のどを押さえているうさこちゃん、どうしたの?
 扁桃腺をとることになったうさこちゃん。 初めてひとりで入院して、手術を受けることになりました……。 大人だって、いやでこわい入院や手術。 子どものうさこちゃんはどんなに悲しくて、こわい思いをすることでしょう。だから、うさこちゃんの目からは、大きな涙がぽろりぽろり。 このシリーズには、うさこちゃんの泣き顔が何回か出てくるのですが、泣いちゃだめと無理に気持ちを押さえこもうとしないブルーナさんの姿勢が

うさこちゃんとあかちゃん 改版 ★★★★★
おなべのメアリー/うさこちゃんが、おねえさんになります!
 おとうさんとおかあさんから、「もうすぐうちにあかちゃんがくるのよ」と言われたうさこちゃん。 大喜びで、その日を待ちわびます……。 そう、うさこちゃんはおねえさんになるのです!  このニュースを聞いて、うれしくてたまらないうさこちゃんは、赤ちゃんにプレゼントを作ります。それぐらい大きくなっているんですね。 そして、ついにあかちゃんに出会って「こんなにちいさい」ことにびっくりし、自分は「とてもおおき

カールの降誕祭 ★★★★
星落秋風五丈原/クリスマスにはシーラッハを!…ただし ブラック&ビターテイストがお好みの方限定
シーラッハの文章は相変わらずそっけない。まるで訴状を読んでいるようだ。「この人がこうしました。その理由はこうでした。それからこの人はこうしました。」うんぬんかんぬん。だが、そのそっけなさにつられて、すっすっと読んでいくと、とんでもないものにぶち当たる。 『パン屋の主人』。彼はシーラッハの長編『コリーニ事件』に登場していて、主人公ライネンを励ます役どころだ。今回彼が『コリーニ事件』で言っていた「まと

聖ペテロの雪 ★★★★★
星落秋風五丈原/香炉峰の雪は簾を撥げて看る  聖ペテロの雪は殻竿を掲げて煽る
病院で目覚めた医師のアムベルクは「あなたは五週間前に交通事故にあい、意識不明だった」と言われ驚く。なぜなら彼は、亡き父の友人フォン・マルヒン男爵が出していた村医の募集に応募して、五週間前にモルヴェーデの小村にやってきて、愛する女性を救い負傷したはずだからだ。  本作もまたペルッツの他の著作同様、導入部である「現在」と本編である「過去」の二段構成となっている。最初から最後までわたし=アムベルクの一人

なぜか頭からはなれない奇妙な絶景spot50 ★★★★★
佐々木 なおこ/「きっと うまくいく」のラストシーンはここだったのか!
本のタイトルがあまりに奇抜で、どれどれと手に取って見ました。そうして、パラパラとページをめくり、あまりにすごさに、奇妙さに、えっこれすごいと声が出たほどです。世界中のなぜか頭からはなれない奇妙な絶景を集めた写真集。「旅は一枚の風景からはじまる。」と本の扉に書いてありましたが、この写真集を見て、現地までどうしても行きたいと思い始めそれを実行する人はかなりいると思います。映画のワンシーンを思い出した

林蔵の貌 上 集英社文庫 ★★★★★
ががんぼ/友情という名のハードボイルド
時代は江戸末期、幕府と朝廷との対立、日本を窺うロシア他諸外国、交易の利を求める薩摩藩、商人たち、尊皇攘夷の運動、新天地を見据える水戸の若き藩士たち、などのさまざまな思いに巻き込まれてゆく「北」のプロ、間宮林蔵。粗筋といえばこんな感じになってしまうのかもしれない。だが、読み終えて思うに、それは結局枠組みにすぎない。物語はつまるところ、友情の話であり、狩野信平という思いがけぬ友を得、かつ失った間宮林蔵

本のことがわかる本 3 もっと知りたい!本が読者にとどくまで ★★★★★
夏の雨/本よ、とどけ
 「本のことがわかる本」の最終巻では、本がどのようにできていってどのようにして読者のところまで届くのかが説明されています。 そもそも本ができるはじめに「企画」があります。このシリーズでも「企画書」が作られ、その「企画概要」がシリーズ全巻の「はじめに」に引用されています。 少し引用すると、「このシリーズでは、世界と日本の本の歴史や、本のかたちや構造、そして本が果たすさまざまな役割などを、3巻にわたっ

うなぎ一億年の謎を追う 科学ノンフィクション ★★★★★
チェブ/うなぎへの愛、ロマン
うなぎ―日本の食文化のかけがえのない一部分を成し、現在絶滅危惧種に指定されている魚。本書は、この貴重でユニークな魚の生態を研究しつづけ、今までだれにもわからなかったその産卵場所を発見したうなぎ研究の第一人者が書いた門書である。うなぎについて知らなかった実に多くのことをそれは教えてくれる。 太平洋の深海で生まれたうなぎの稚魚は、はるばる日本にやってきて川を上り、静かな場所で成長したのち、ふたたび海に

チンチンボンボさん ★★★★★
夏の雨/ヘンなタイトル以上にヘンなお話
 この絵本のタイトルを見て、変なこと、想像した人いませんか。 私は、少し、しました。 でも、これはタイトルみたいな変なことではなく、もっと変わったお話です。 まず、最初に書いておくと、タイトルの「チンチンボンボ」というのは、富山の方言で「肩ぐるま」のことだそうです。 作者の女優室井滋(しげる)さんが富山県出身なので、このタイトルがついたのでしょう。 表紙の見返しに「かたぐるまのこと なんていう」と

オクシタニア ★★★★
よっちゃん/人間は極限状況でいかに神と向き合うか
13世紀フランス南部の豊饒の地「オクシタニア」の覇権と異端カタリ派をめぐる複雑な対立の構図を丹念に描く歴史小説であるが………。オクシタニアは当時トゥールーズ伯を中心とする複数の諸侯がそれぞれの領地で繁栄を競っていた。物語は1208年ローマ教皇使節がトゥールーズ伯の家臣に殺害されたことを契機に教皇インノケンティウス3世が討伐の十字軍を宣布することに始まる。北フランスの諸侯や騎士団で組成された十字軍が

今日 ★★★★★
佐々木 なおこ/新米ママに、プレゼント!
結婚して、出産して、今年初めて赤ちゃんとクリスマスを迎える彼女に、なにかプレゼントをと思いました。いろんな絵本を前に、親子そろって楽しめるものがいいかなと思いつつ、お店の人にオススメを聞いてみました。「そうですね。絵本だとこちらはいかがですか?初めてのお子さんですか?それでは、これもおすすめですよ」手渡されたこのブルーの表紙。ついさっき私はこの本を手に取り、一気に立ち読みして、しみじみ感動していま

葬式は、要らない 幻冬舎新書 ★★★★★
ががんぼ/葬儀について見直す契機になるコンパクトな好著
ものの考え方が多様化し、冠婚葬祭をめぐる文化形態も変わりつつある中で従来の葬儀のやり方に疑問を持つ人は少なくないのではないか。あれやこれやは本当に必要なのか、意味があるのか、みんな同じことをしているのか、云々。本書はそうした疑問に答えてくれる本だ。題は過激だが、どうやら出版社の販売戦略によるもので、著者自身がそのままそう主張しているわけではない。日本の葬式は世界に比べてやたら金がかかる、という問題

データの見えざる手 ★★★★★
JOEL/パラダイムシフトを生む「学習するマシン」としてのコンピュータ
 科学が自然科学の領域から、行動の科学へと進出していく、その最先端の話題が本書に収められている。そして、その話題は刺激に満ちている。 リストバンドなどで、体に装着されたセンサが、人の体の動きをデータとして蓄積していく。何人もの人からデータを集めて、データ量が増えていくと、そこには、行動の法則が浮かび上がる。それは、物理の法則が常に当てはまるように、行動の法則もまた、常に当てはまる。 行動の法則性は

人魚の眠る家 ★★★★★
saihikarunogo/薔薇の香り
幾つかのドラマで、登場人物が「脳死」と診断される、という話を見たことがある。画面を見続けていて、脳死と診断された人が人工呼吸器を付けていない場面が出てくると、この人は脳死じゃなくて植物状態だ、と、私は思ったものだ。しかし、人工呼吸器を付けなくても、横隔膜や腹筋を動かす装置を体内に埋め込み、ケーブルでつないだ機器で操作する方法がある、というのが、小説『人魚の眠る家』の前提である。現実問題として、寝た

お皿の上の生物学 ★★★
藤豆/大学の生物学を今風に調理したら。
 料理についての生物学であり、生物学を「料理して皿に載せる」という意味がタイトルにはあるのだそうだ。学びの面白さ、能動的な勉強へのいざないを目的として始まった、大学の新入生向けの基礎セミナー「料理生物学入門」を中心にまとめたものだそうである。 最近の大学の講義ってどんななんだろうと興味を持って読み始めたのだが、面白すぎる。たまに「大阪人はみんな漫才師のように話す」と関東の人などが評することがあるの

王とサーカス ★★★★
ゆこりん/読み応えのある、魅力的な作品
太刀洗万智は、新聞社を辞め知人の雑誌編集者から頼まれた仕事の事前準備のためネパールに向かう。だが、彼女を待っていたのは、王族殺害事件という衝撃的な事件だった。さっそく取材を始めた万智だが、思わぬできごとが待っていた・・・。 ネパールの街の喧騒が実によく描かれていた。人々の息づかいも聞こえてきそうだ。読んでいると、まるで自分もその街の中にいるような気分になった。最初は王族殺害事件の真相を探ろうとした